2011年6月16日木曜日

「検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?」立入 勝義 (著) へのコメント文

機会があって友人の本「検証 東日本大震災 そのときソーシャルメディアは何を伝えたか?」立入 勝義 (著)にコメントを書かせてもらった。

タイトなスケジュールのため、校正された内容が大きく変わってしまったので、ここを使って訂正したい。コメントは112-113ページにあり、青色の文字箇所が原文。



 子どものころを台湾で過ごし、たまたま軍隊が多く住む地域の学校だったため、否応なく政治授業の洗礼をうけた。マスメディアに対してつねに自分自身の判断をするという種が植えられ、報道が白だというのであれば黒で勘ぐって出来事の全体像を描きながらバランスを調節せよという内容。

 ツイッターはデジタル井戸端会議。多くの人の呟きを聞きながら繁忙な生活のなかに一瞬にして心のオアシスに行けるから好きである。リスト機能で洪水のようなつぶやきを信仰、哲学、教養、娯楽、専業などと分類して活用している。

 東日本の地震、津波の災害が起こり、ツイッターやUstreamで災害の情報がせきを切ったように氾濫し始めたとき、和を重じる日本の政府機関は、事の重大きさから情報を慎重に慎重を重ね、事実を出し惜しんだ。福島原発の近くにいる親類は、ライフラインが中断され連絡がつかない状況に陥った。

 危惧しているのは原発事故の状況だが、電力会社の発表はらちがあかず、日本国内のマスメディア報道は外国のそれと開きがあることに気づいた。それから日本、韓国、台湾、アメリカ、イギリス、ロシア、フランスなどのツイッターから情報判断のアウトラインを作り、そこから気になるトピックをさらにオンラインメディアで掘り下げた。

 風評発言であるか否かの判断材料は、日ごろし分類した信頼できる人物リストが役立ち、また各国の言語はグーグルの翻訳機能を駆使することでし大意をつかめた。

 そのなかでも原発事故が発生して数日経たないのに、ロシアが放射線汚染のモニタリングを開始したこと、アメリカ空母の甲板作業員がわずかであるが被爆され空母が福島原発から160キロ離れたこと、駐東京アメリカ大使館関係者らが東京を離れ台北へ避難したことなどの事柄から、原発は決壊すると自分なりの判断を下した。家族とようやく連絡がついたとき、自宅から退避するように説得する材料となった。

 デジタル井戸端会議であるツイッターから被災地の全体像を見た。それらは取材によるフィルターを通った声ではなく、共に憂い、共に祈り、共に泣き、そして笑ったリアルタイムのドラマだった。


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